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4月, 2020の投稿を表示しています

♯おうちであじび ✏️おうちで知りたいアジアのアート✏️ Vol.5

当館アジアギャラリーでは「あじび研究所」と題して、2018年度より全7回に渡って作品1点を深掘りするコーナー展示を試みました。 本ブログでは、その時の写真やテキストを改めてご紹介します。 第3回目は、韓国の木版画≪テチュリ婦人会長さん≫です。  縦1.2m×横2mの紙いっぱいに大きく刷られた米軍ヘリコプターの上には、米の釜を頭に乗せたアジュンマ(韓国語で「おばさん」の意味)が一人で踏ん張りながら立っています。なぜ、アジュンマはこんなところにいるのでしょうか?本コーナーでは、韓国で今なお続く米軍基地や都市開発問題に真っ向から挑み続けるイ・ユニョプの作品《テチュリ婦人会長さん》(2006)をご紹介します。 イ・ユニョプ(韓国) 《テチュリ婦人会長さん》2006年 木版・紙 121.8x202.8cm 福岡アジア美術館所蔵 「イ・ユニョプとは誰か?」  イ・ユニョプ(李允燁)は1968年に韓国の京畿道水原市で生まれました。水原大学校美術大学西洋画科で木版画を学んだ後、社会問題に対する闘争運動の中で闘う人々を支援する木版画を制作し始めます。2005年からは駐韓米軍の基地移設先となった京畿道平澤市テチュリ(大秋里)村で暮らしながら、村民の生活や闘争する姿を取材した木版画作品を多数制作・発表。2010年には、闘争現場で美術作品を制作するグループ〈派遣美術〉を結成し、地域住民や労働者を支援する活動を今なお続けています。また、イ・ユニョプは1980年代の韓国民衆美術運動を現在も継承する作家のひとりとして知られています。 ※日本では、2007年「民衆の鼓動 韓国美術のリアリズム1945-2005」(新潟県立万代島美術館、福岡アジア美術館ほか)、2011年、「ここに人がいる イ・ユニョプ版画展」(佐喜眞美術館)、そして2018年の「闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s」(福岡アジア美術館、アーツ前橋)で紹介されています。 「民衆とともに―韓国民衆美術運動の熱」  イ・ユニョプの作品を考察する前に、彼の活動に影響を与えた韓国の「民衆美術運動」を紹介しなければなりません。韓国は1961年、パク・チョンヒ(朴正煕)のクーデターによる政権掌握後から1980年代まで、実質的な軍事独裁政権が続きました。1980年5月、軍...

♯おうちであじび ✏️おうちで知りたいアジアのアート✏️ Vol.4

当館アジアギャラリーでは「あじび研究所」と題して、2018年度より全7回にわたって所蔵品1点を深掘りしてきました。本ブログでは、当時の展示を写真とテキストで振り返ります。 第4回目は、インドネシア近代彫刻の巨匠シダルタによる作品です。女神はなぜ涙を流しているのでしょうか? シダルタの言葉、そして激動の戦後史とともに見ていきます。 グレゴリウス・シダルタ・スギジョ(インドネシア) Gregorius Sidharta Soegijo (Indonesia) -------------------------------------------------------------- 作品名:泣く女神(Weeping Goddess) 原 題:Tangisan Dewi Bathari 素 材:チーク材(顔、胴体)、マホガニー材(手足)、     皮(腕)、アクリル絵具、髪、鏡、指輪、縄ほか サイズ:高さ233×幅77cm 制作年:1977年 -------------------------------------------------------------- インドネシア生まれの彫刻家、版画家。ヘンドラ・グナワンの主宰するサンガル・プルキス・ラキャット(人民画塾)に学んだ後、ジョクジャカルタに創設されたインドネシア芸術大学(ASRI)に入学。卒業後オランダのヤン・ファン・アイク美術アカデミーに留学。帰国後は、バンドン工科大学などで教鞭をとる。早くから抽象表現を追及してきたが、次第にインドネシア固有の民族的伝統を参照した絵画・彫刻を制作するようになる。その後、インドネシア美術家連盟を創設し、IAAの事務局長を勤めるなど、美術家の組織化に尽力。福岡のアジア美術展の開催にも貢献した。インドネシア近代彫刻のパイオニアのひとりで、多くの公共彫刻を手がけている。 女神は、なぜ涙しているのだろうか? (作者の言葉から) 「《泣く女神》は、伝統回帰をはたして最初に作った彫刻です。」 「インドネシア各地の装飾性を取り入れるだけでなく、技法に関しても穴の開け方や髪の毛の編み方など、伝統から多くを学びました。」 「ある人々は、鏡によって悪霊を追い払えると信じているのです。」 「西洋からやってきた近代文化の巨大資本によって、インドネシアに息...

#おうちであじび ✂おうちであそぼう🖌 Vol.5 ワークショップ:「中国の切り絵(剪紙)」(リュウ・リユン)

#おうちであじび ✂ おうちであそぼう 🖌   Vol.5 ワークショップ:「中国の切り絵( 剪紙)」(リュウ・リユン/ 劉立蘊 ) 2003年にアジ美に滞在した中国のアーティスト、リュウ・リユン/ 劉立蘊 ( リリー)さんが親子向けに行なったワークショップです。中国では、お祝いの時に赤い紙を切って飾る伝統があるそうです。折った赤い紙を切り抜いて広げるときれいな模様ができます。ぜひ挑戦してください! ワークショップ下絵(PDF)のダウンロードはこちら ↓: 花: https://faam.city.fukuoka.lg.jp/manager/wp-content/uploads/2020/04/下絵%EF%BC%88花%EF%BC%89.pdf 小鳥: https://faam.city.fukuoka.lg.jp/manager/wp-content/uploads/2020/04/下絵%EF%BC%88小鳥%EF%BC%89.pdf さる: https://faam.city.fukuoka.lg.jp/manager/wp-content/uploads/2020/04/下絵%EF%BC%88さる%EF%BC%89.pdf 【準備するもの】  ・赤いいろがみ  ・はさみ  ・鉛筆  ・(もしあれば)ボールペン、カーボン紙、曲線カッター 【作り方】 ◆花(チューリップ): ①赤い方を内側にして4つに折る ②さらに半分に折る ③ダウンロードした下絵を見ながら描き写す  ※描き写すときは、点線を折り側にあわせるようにしてね  ※全く同じにしたいときは、下絵を切って  (1)切り抜いた下絵をいろがみにあててボールペンで強く線を描き、線の跡を鉛筆でなぞる  (2)カーボン紙を切り抜いた下絵といろがみの間にはさんで、線をボールペンでなぞる   ④はさみで切る ⑤完成! ⑥できあがったら台紙に貼ってかざってね ◆小鳥: ①~③は「花」と同じ ④はさみで切る(目と羽、しっぽを最...