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サメ頭のミサイル―サンミン「コンピューター・コントロール・システム」より

現在、福岡アジア美術館(あじび)で展示中の作品を1点、紹介します。

ミャンマーのサンミン(1951-)が、1985年に描いた「コンピューター・コントロール・システム」には、サメの頭をしたミサイルが空を飛び、その下に眠る男が登場します。

サメ頭のミサイルのイメージは、1977年に発行された『TIME』誌に掲載されていたアメリカの巡航ミサイルにヒントを得ています。

本作が描かれた1985年は、ミャンマーで大規模な民主化運動があった1988年のちょっと前、軍事政権の時期です。軍事政権時代は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどは政府の厳しい管理下にあり、ましてやアメリカの雑誌などは流通していませんでした。

でも実は、当時の美術作家たちは、ミャンマー国外で起きていることや美術動向を、わずかな情報であっても、さまざまな方法で入手していました。サンミンはどうやって、『TIME』誌を手に入れ、本作を描いたのでしょうか?

つづきは、アジアギャラリーへ。
その他、この作品にまつわる他の謎も、パネルで紹介しています。12月25日まで。

サンミン(ミャンマー)「コンピューター・コントロール・システム」1985年、油彩・画布
1985年のサンミンの活動、作品中のミサイルや眠る男のなぞ、ミャンマーで展示されたときの図録など