「アジア美術資料室」使い方指南 第4回
年表の検索といっても何を探せばいいのかわからない方々のための「自分基準」続き。
自分が生まれた年に何があった?
「詳細検索」で自分の生年を入れて下の方の「検索する」をクリック。(注意 開始年だけに入れるとその年以後の事項がすべて出てしまうので、終了年にも同じ数字を入れてください)
試しに今年40歳になられる方で「1983」で検索、2か所に同じ数字を入れる。
ここでも右上「並び替え」(ソート)で「開始年(古→新)をクリック。月が入っていれば1983年のなかでの時系列に並びます。
これだけ見てもなんだかわからない?
ここまでくるのは初級ですが内容を読み解くのは上級でしたね、すみません。
右端の矢印から詳細画面を見て、どんな時代だったか想像してみてください。(歴史の理解にはどんなに情報量が多くても想像は欠かせません!)
なので私なりに読み解きますと、
タイのチェンマイとインドネシアの大学で美術教育が拡大
中国では官製美術の社会主義リアリズムと異質な抽象絵画の紹介に賛否両論
ベニグノ・アキノ暗殺、マルコス独裁政権に抵抗する民主化運動がやがてEDSA革命へ
……と、いずれ起こる文化や政治の大変革が胎動している年でした。
ピッタリ自分の生年で出なければ「終了年」に数年後の数字を入れてみてください。自分の生きてきた時代のアジアのできごとがわかります。(ただし現在のデータだと若い人はほとんど美術展になってしまいますが…)
ちなみに筆者の生年から10年間の間を検索・ソートしてみました。結果は…
北朝鮮でプロパガンダ美術が拡大、
ネパールやシンガポールやモンゴルでモダニズム美術(簡単にいえばポスト印象派からキュビスムあたりの抽象化傾向)が勃興、
韓国では前衛的な(反モダニズムといってもいい)傾向が始まって、その推進者のキム・グリムの美術館でのインスタレーションが撤去される
……という時代。
さて、筆者が生まれた年は何年でしょう?
――年代がバレバレになる日本・世界の歴史事項はあえてあげてませんから、検索してわかるようになれば、中級に進級です。
(つづく)