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5月, 2023の投稿を表示しています

新ウェブサイト「アジア美術資料室」使い方指南 初級編③(自分基準1)

「 アジア美術資料室 」使い方指南  第3回  では次に、「調べる」メニューで、もうちょっと「データベース」ならではの使い方に入ります。 でも多くの方が「アジア美術なんて何も知らないので何をどう調べればいいのか」とお思いでしょうから、いっそ、 「自分基準」 で 、 やってやりましょう ( 某アニメキャラのせりふ。知らない人はコピペで検索してね 。私も見てないんだけど ) 。 自分基準1:福岡で何があった? ネットだから(日本語読める人なら)世界のどこにいてもいいのですがとりあえずローカルな例で。 ・ トップ から「調べる」→「年表 検索」→ 「フリーワード検索」 ・ キーワードで「福岡」と入れて検索。 ・右上の「並び替え」で「開始年」(古 → 新)で年代順にソート(並び替え)。 ・「もっと見る」で下にスクロールすれば新しい事項が出る 「福岡」という文字で探すため「福岡アジア美術館」所蔵作家とかブログなども拾われるので 64 件も出ますが、ほとんどは福岡で開催された展覧会です。同じ検索で 「東京」だと112件ですから、首都圏集中で展開するのが近現代美術の常であることを考えれば、半分以上の福岡は相当に多いといってもいいでしょう。 福岡市美以後の 福岡が、日本における(いや、世界における!)アジア現代美術紹介の先駆けだった ことはもっと市民の方々にも知っていただきたいと思います。 ところで、 よく見れば、 1965 年にも福岡「証券ビル」で「アジア現代美術展」が! 何これ??  香港のキャセイ航空による史上初のアジア現代美術展? なおこのサイトは和英バイリンガルなのですが、和英を完全に分ける構造になっていて、英語でネット検索するためにこの年表の英語画面にとぶには、詳細画面の一番下の「管理番号」をコピーして、英語のChronology Searchのキーワードで検索しないといけません(直リンク設定すればいいのだろうけど)…するとこれが出ます  The first exhibition of Asian contemporary art by Cathay|Search Result List|Chronology|Exploring|Asian Art Resource Room (asianart-gateway.jp) (6/1 論文へのリンク、日本語→

新ウェブサイト「アジア美術資料室」使い方指南 初級編②(知らない用語)

「 アジア美術資料室 」使い方指南  第2回  初級編続き。今回は「用語集」から。 項目はまだ 40 件と多くありませんが、アジア美術特有のカテゴリーを見てみましょう――トップメニューで「用語」をクリックすると、 「洋風画」「伝統美術」「フォーク・アート」「大衆美術」「グループ・運動」「技法」「美術学校」「重要展覧会」というカテゴリーから選ぶことができます。後半の「グループ・運動」「技法」「美術学校」「重要展覧会」なら、日本や欧米の美術でも「ポップ・アート」とか「コラージュ」とか「東京藝大」とか「ドクメンタ」などが想定されますが、 前半の「洋風画」「伝統美術」「フォーク・アート」「大衆美術」は、どうも「現代アート」とはだいぶちがうみたいです。欧米の近代以後のアートは、これらをすべてを超克する・排除する(あるいはつまみぐい的に利用する?)ことで成り立っているといっても過言ではないですから! 「これが美術なの?」と不審がられそうなことを平気でやっているこれらのカテゴリーこそ、「アジア近現代美術」ならではの複雑さ、多層性、そして魅力を示すものといえます。 そこからはいろいろな問題が見えてきます――ヨーロッパの近代美術を学んでそこからいかに独自の様式を見出すか。植民地、独裁制、階級社会などの問題をいかに個人の創造性が突破し、政治的に独立し文化的にも自立し、エリートと大衆のギャップを埋めていくか。それはアジア各地の共通の課題なのですが、逆に考えれば、実は私たちが親しんで自明のものを思ってきた欧米美術(そして日本美術も!)が排除してきたものが見えてくるのです。 なんてつい先走って言ってしまいましたが、まずは、アジ美の所蔵作品・作家へのリンクがあるので、想定外の意外な作品たちにまずは出あってみてください。 (つづく)

新ウェブサイト「アジア美術資料室」使い方指南 初級編①

「 アジア美術資料室 」使い方指南  第1回  新ウェブサイト アジア美術資料室 は、福岡アジア美術館が長年収集してきた資料と、全アジアに広がる人的ネットワークを生かして、アジア近現代美術の理解を深めるための入口(gateway)です。しかしこのようなウェブサイトは世界的にも類がなく、しかも、もともと一般の人には今もなお近代以後のアジア美術についてほとんど知られていないため、どう使えばいいいのか、何を調べればいいのかわからない方が多いかと思います。そこで、まったくの初心者の方から、ややつっこんだ調べものをしてみたい方々に、下記のような使いかたのメニューをご提案してみます。 初級編 ①  サイト内検索(なんでも) ② 「知る」用語集(知らない用語) ③ 「調べる」年表 検索 (自分基準1) (自分基準2) 中級編 ① 「調べる」年表 一覧(どんな時代?) ② 「調べる」年表 検索(行ったことがある、行ってみたい地域) ③  サイト内検索(お気に入りの作家) 上級編 ①  自分の研究テーマで ②  日本との交流 ではまず「初級編」を。 ①  サイト内検索(なんでも) 一番簡単な検索は右上の虫メガネマークをクリック、思いつく言葉(「東京」「タイ」「ビエンナーレ」「交流」とか)を入れて Enter 。このサイト内どこにあってその言葉を含む記事が出ます。そこから興味のある出来事などが見つかるでしょうか? 現時点ではほとんど年表ですが……(なおこのサイト内になければ通常の Google 検索になります)  「ビエンナーレ」なら26件、ヴェネチアだけでなくアジア各地のビエンナーレが出ます。 ただしこの初心者向け検索だと並び替えや高度な検索はできませんので、もっとつっこんでみたい人は年表の「キーワード検索」で。すると現在もアジアで続く最古のビエンナーレは韓国の光州(1995年~)でなくバングラデシュ・アジア美術ビエンナーレ(1981年~)とわかります。 (つづく)