※English below※
第5回:ジハン・カリム (アーティスト / バングラデシュ)
1984年、バングラデシュ、チッタゴンに生まれる。
[招へい] 2014年9月18日〜2014年10月28日
【滞在中の活動】
「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」の交流プログラムに参加し、2つの作品を滞在制作した。ひとつは、「糸島国際芸術祭2014糸島芸農」に福岡の映像作家、牧園憲二と共同制作して不用品を用いて制作したインスタレーション「to C」をメイン会場の稲荷山に設置した。もうひとつは、サイトスペシフィックな映像作品「通りから」で、「博多リバレイン灯明」で、博多川にかかる橋の下に展示した。
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2020年5月10日
みなさん、こんにちは。ジハン・カリムと申します。バングラデシュのチッタゴンという港町に住んでおり、現在はチッタゴン大学美術学部の准教授をしています。また、「ジョグ・アート・スペース」のメンバーとして、路上での実験的な展覧会やワークショップ、セミナーなどを企画しています。
バングラデシュにおけるパンデミック、新型コロナウイルスは波のように広がりつつあります(現在、1万4千人が感染しています)。国の医療検査体制は感染を特定できるほど整備されておらず、メディアからのデータを見ると感染者の数はさらに多いと思われます。政府は40日間の都市封鎖を行いました。しかし、人々の生計に関して言えば、医者や銀行員のような職業以外、つまり低所得者層の人々は仕事のために外出せざるをえない状況です。特に、衣料品店、食料品店、市場で働く人たちや、リキシャ引き、物乞いの人々です。ですから、都市封鎖は豊かな中流階級か上流階級の人びとにとってわずかに効果がある、といったくらいです。
私たちの美術家コミュニティは、いくつかの試み(寄付を募る、貧しい人々に食料を配ったり、防護服を医療者に提供する、等)を通して、他の人たちへの援助を試みています。例えばダッカでは、あるアーティスト・コミュニティが医療者のためにフェイスシールドを制作したり、アート主体でパンデミック状況をテーマにしたオンライン展覧会を開催したりしています。
個人的には、大学の友人たちと一緒に貧しい地域コミュニティのための募金を立ち上げています。また大学の同僚4名は、学生たちと一緒に領域横断的なプロジェクトをFacebook上で立ち上げ、アートを介したコミュニティとの接続を試みています。このプロジェクトは、Facebook上で私たちがアートに関する講義や、参考図書、リンクを提供していくというものです。同時に、このような状況を受けて、コロナ後の世界のアートの変化にも関心を持ってもらいたいと思っています。自然に優しい素材、そしてそれらについて主観的なアプローチで考えてもらいたいと思っています。
それに加えて、私は次のプロジェクトのためにいくつかのアイデアを展開しています。というのも、この新型コロナウイルスの状況は、芸術、文学、経済、人間の世界を変えると思うからです。これらすべてのことについて再考しなければならない状況が生まれています。なぜなら、この状況は私たち全員(分け隔てなく)を、世界中で同じ地平の上に立たせたからです。それはまるで、新しいルネッサンスが始まるようにさえ思えます。
仕事の関係では、今は大学の講義の準備をしているのですが、大学がいつ始まるかわかりません。私はオンライン講座を受講したり、部屋の模様替えをしたり、本を読んだり、映画を見たり、家事をしたりして過ごしています。このようにして、この期間を乗り切ろうとしています。
ケンジ(注:福岡のアーティスト、牧園憲二氏)にもよろしく伝えてください。福岡が懐かしいです。糸島、稲荷の集落、そこで食べたうどん、川沿いの道、屋台
ケンジの黄色い車。これらを恋しく思うときがあります。私にとっては初めての海外の旅の記憶で、忘れられないものです。福岡アジア美術館に感謝しています。
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2020年5月10日
みなさん、こんにちは。ジハン・カリムと申します。バングラデシュのチッタゴンという港町に住んでおり、現在はチッタゴン大学美術学部の准教授をしています。また、「ジョグ・アート・スペース」のメンバーとして、路上での実験的な展覧会やワークショップ、セミナーなどを企画しています。
バングラデシュにおけるパンデミック、新型コロナウイルスは波のように広がりつつあります(現在、1万4千人が感染しています)。国の医療検査体制は感染を特定できるほど整備されておらず、メディアからのデータを見ると感染者の数はさらに多いと思われます。政府は40日間の都市封鎖を行いました。しかし、人々の生計に関して言えば、医者や銀行員のような職業以外、つまり低所得者層の人々は仕事のために外出せざるをえない状況です。特に、衣料品店、食料品店、市場で働く人たちや、リキシャ引き、物乞いの人々です。ですから、都市封鎖は豊かな中流階級か上流階級の人びとにとってわずかに効果がある、といったくらいです。
私たちの美術家コミュニティは、いくつかの試み(寄付を募る、貧しい人々に食料を配ったり、防護服を医療者に提供する、等)を通して、他の人たちへの援助を試みています。例えばダッカでは、あるアーティスト・コミュニティが医療者のためにフェイスシールドを制作したり、アート主体でパンデミック状況をテーマにしたオンライン展覧会を開催したりしています。
個人的には、大学の友人たちと一緒に貧しい地域コミュニティのための募金を立ち上げています。また大学の同僚4名は、学生たちと一緒に領域横断的なプロジェクトをFacebook上で立ち上げ、アートを介したコミュニティとの接続を試みています。このプロジェクトは、Facebook上で私たちがアートに関する講義や、参考図書、リンクを提供していくというものです。同時に、このような状況を受けて、コロナ後の世界のアートの変化にも関心を持ってもらいたいと思っています。自然に優しい素材、そしてそれらについて主観的なアプローチで考えてもらいたいと思っています。
それに加えて、私は次のプロジェクトのためにいくつかのアイデアを展開しています。というのも、この新型コロナウイルスの状況は、芸術、文学、経済、人間の世界を変えると思うからです。これらすべてのことについて再考しなければならない状況が生まれています。なぜなら、この状況は私たち全員(分け隔てなく)を、世界中で同じ地平の上に立たせたからです。それはまるで、新しいルネッサンスが始まるようにさえ思えます。
仕事の関係では、今は大学の講義の準備をしているのですが、大学がいつ始まるかわかりません。私はオンライン講座を受講したり、部屋の模様替えをしたり、本を読んだり、映画を見たり、家事をしたりして過ごしています。このようにして、この期間を乗り切ろうとしています。
ケンジ(注:福岡のアーティスト、牧園憲二氏)にもよろしく伝えてください。福岡が懐かしいです。糸島、稲荷の集落、そこで食べたうどん、川沿いの道、屋台
ケンジの黄色い車。これらを恋しく思うときがあります。私にとっては初めての海外の旅の記憶で、忘れられないものです。福岡アジア美術館に感謝しています。
ジハン・カリム
What are you doing at home? - Asian Artist Ver.
05. Zihan Karim (Visual artist | Bangladesh)
Zihan Karim participated in the Exchange Program at the fifth Fukuoka Asian Art Triennale and created two works. "to C" is a collaborative installation work using disused objects with a Fukuoka-based video artist, Makizono Kenji and was displayed at the 2014 Itoshima International Art Festival. "Tori kara (From Street)," another site-specific video work, was displayed under the bridge over the Hakata river during the Hakata Riverain Lantern Festival.
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2020.05.04
Hi everyone, this is Zihan Karim from Bangladesh. I live in a port city called Chittagong. I am currently working as an assistant professor at the institute of fine arts, University of Chittagong. And I 'm also a core member of "Jog art space," where we organize the experimental exhibitions on the street as well as workshops and seminars.
In this pandemic situation in Bangladesh, the infection of COVID-19 has been rising like the wave (Currently, 14000 people have been infected). Our medical testing system is not much equipped to identify the infection. According to the data I got from media, I assume that the number should be more. Government took place a lockdown of the city for 40 days. But in terms of the people’s livelihood, the lower-class people, especially those working for garments, food shops, markets, pullers, and beggers, need to go out for work. So, the lockdown seems to be slightly working only for the upper-middle and high-class, such as doctors or bankers.
Our artist communities are mostly trying to help the people in several ways, like raising money and giving food to the poor, trying to help the doctors by providing proper PPE. For example, in Dhaka, Some artist communities made the face-shields for doctors. Some art initiatives also create the online exhibition events relating to this pandemic situation.
I belong to a group consisting of my school friends for raising the fund for the poor communities. Four of our colleagues from my university also formed an initiative to start an interdisciplinary project on Facebook with our students, so that we can be connected with them through art. As the project is running, we are giving lectures, references, video links, etc. on Facebook. Also, we want to have the students think about global art change after this situation. We need to be more concerned about the eco-friendly materials and think about it more subjective approach.
Besides that, I am developing some ideas for my next project. Because I think this COVID 19 situation will change the art- literature- economic- human world. It creates the condition to rethink all these things. Because this is a situation made us all (no classification) stand on the same ground all over the world, .it never happened before. It feels like a new Renaissance is on the way.
Relating to my job, I am preparing some lectures for my class; even I don't know when the university will start. I'm attending some online courses, doing layouts, reading books, watching films, and doing family work. I am trying to survive this time in this way during the period.
Say hi to Kenji, and also mention that... I miss Fukuoka, Inani village, Itoshima, Udong at Inani, the road beside the river, Yatai, and his yellow car. I miss them. That was the first abroad journey I will never forget. Grateful to FAAM.
Warm wishes
Stay safe
Zihan Karim