12月16日の横地剛&黒田トークには多数の方々(遠方からの人もけっこう)にご来場いただきましてありがとうございました。 福岡で長年に渡って版画の研究のみならず50年にわたって中国語を教えてこられ福岡での中国交流・歴史や文化の理解に貢献されてこられた横地さんの仕事が広く知られる機会になればと思います。 ところで黒田部長が横地さんの紹介のときに「横地さんは肩書を嫌った、でもその肩書がないということが今日の話に関係あるので最後にふれる」と言いつつ、すっかり忘れてしまったので(笑)、そのオチをお知らせします。 横地さんの話を受けて、韓国映画「タクシー運転手」「1987」のように、政治活動家でも学者でも芸術家でもない普通の人たちが民主化の進展に貢献したと言いましたが、それはいいかえれば、肩書のない市井の人々であれ、また肩書がある人でもそれとは別の自分の選択と判断で、何かのアクションを起こす自由と可能性を持っているということです。街頭デモに行きたくても時間がない、身体が丈夫でない、あるいは立場上まずいという人は行かなくていいし、SNSの使い方がよくわからない人は無理にFBやツイートとかインスタとかしなくても、政治や経済や国際関係のことがよくわからなくても、できる範囲で「人間らしい仕事」をすることで十分。鎌田誠一が上海に戻ったら「人間らしい仕事をしたい」と言ったその願いはついにかないませんでしたが、いかなるイデオロギーにも頼ることなく内山書店店員という肩書(?)だけで魯迅の展覧会も講習会も手伝い、魯迅の身の安全も書籍や版画などの資料を守ることにも貢献した鎌田誠一の生は、現代の私たちがちょびっとでも「人間らしい仕事」をすることで、「小さな生」でも「大きな歴史」に貢献できるというヒントを与えてくれたのかもしれません。――「闇に刻む光」展で見えてくるのも、無名(少なくとも現在の私たちは知らない)の美術家や市民の小さな版画が、アジア全体の近代化という巨大な歴史の一部を担ったということですから。 あ、ところで、講演会でも販売していた下記の本をショップで販売中です。税込700円。講演を聞き逃した方はお求めください。 と、黒田部長が言ってます。(ししお)
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