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レジデンス研究者 滞在レポート②

6月18日から当館に滞在しているキムさんのレポートをお届けします。 福岡の「ゆかり」からひもとく、アジアやアートについてのテキストをぜひご覧ください! *English version is below **** 執筆者:キム・ジョンヒョン(金正賢) (1985年ソウル生まれ/批評家、インディペンデント・キュレーター)  『福岡の「ゆかり」』 アジ美に滞在中、ここ数年韓国美術界で話題になっている「アジア」について考えてみたかった。しかし約一ヶ月という限られた時間を、研究室に籠って山のような書籍や資料に向かうことだけに使うのはもったいなので、複写禁止の貴重資料とアジ美所蔵品を研究する時間以外は、こまめに人に会い、様々な場所をまわった。これまで北九州、久留米、大分を訪れ、今後山口と広島を訪れる予定だ。 先日九州産業大学美術館が開催したシンポジウムで、川浪千鶴氏(元 福岡県立美術館 学芸課長)の発表を聞く機会があり、その中で「ゆかり」という言葉が記憶に残った。福岡出身でなくても「ゆかり」ある作家たちとプロジェクトを行ってきたという話の中で登場した言葉だ。 出生地でも活動拠点でもない場所と「縁を結ぶ」こと。ソウルを拠点とする私は、この機会にソウルと福岡、そして光州と福岡との縁を結ぶことになるのだろうか?福岡は釜山と近く、釜山の美術界と密に交流をしていると聞き、まだ一度も行ったことがないスペースや、あまり知らない作家やキュレーターの話を聞いて、自分自身が韓国美術界ではなく、ソウル美術界に属するということを再認識させられた。韓国、ソウル、光州、福岡、釜山+平昌(平昌ビエンナーレの資料はアジ美に来て初めて見た)、マレーシアと中国(私の滞在期間と重なったレジデンス・アーティストたち)、日本と東京(日本の現代美術資料との思いがけない出会い)+アジア(アジ美の研究対象等)… 様々な地域区分がごちゃ混ぜになっているが、これらの地域と現代美術には一体どのような関係があるのだろうか?誤解を恐れずに、上に出てくる地域をざっと分類してみると、以下のようになる。 - アジア:地域の集合体 - 韓国、日本、マレーシア、中国:国家、国籍 - ソウル、東京:首都、大都市 - 光州、福岡、釜山、平昌、北九州、久留米、大分、山口、広島:第2・第3の都市、その他の小都市=首